12.18.2023
日本から海外配信

データドリブンのテレビ広告の進化

※Boundless株式会社は、米国に本社を構えるYahooグループの日本法人です。

進化し続けるテレビ広告業界がデータ時代に突入。ACRとSTBのデータが決して廃れることのない組み合わせである理由とは。

筆者: 
Mallory Armstrong / Data Product General Manager

 

非効率を振り払う

米国の今年の夏は、Barbie、Beyoncé、さらにTaylor Swiftのツアーで盛り上がり、そして、アメリカンフットボールの秋が到来しました。少なくとも、熱狂的なファンたちはそのように感じたことでしょう。アメリカンフットボールのファンとTaylor Swiftのファンが肩を並べ合う*という新たなアメリカンフットボール広告の環境に適応していく中、テレビメディア業界は独自の革命の真っただ中にいます。この進化の中核となっているものとはズバリ、データです。具体的には、従来のリニアとCTVの両プラットフォームからの独自の信号への前例のないアクセスを指します。かつては、ウォールドガーデンの外からは手が届かなかったものです。

*Taylor Swiftとプロアメリカンフットボール選手の交際をきっかけに、アメフトグッズの売上が約400%増加し、テイラー効果とよばれる現象が話題に。

大胆不敵な組み合わせ

テイラーは、カントリー、ポップ、パンク、インディー・フォークなどの様々なジャンルをサンプリングした音楽で、「音楽業界」の代名詞として認識されるようになりました(彼女のラップへの進出を覚えている方もいるのではないでしょうか)。同様に、テレビの視聴者情報も、以下のような様々な「ジャンル」のデータで構成されています。

  • 自動コンテンツ認識(ACR) これは、どの番組やコマーシャルが「スクリーンに映った」かを秒単位で検出する能力により、テレビデータ分野におけるデジタルの寵児となりました。 ACRは、OEMメーカーとしても知られるテレビセットのブランドごとに、リニアおよびオーバー・ザ・トップ(OTT)の視聴行動のサンプリングを提供することにより、CTV戦略にとって必須要素となりました。このデータは、STBやCTV機器などの複数の入力ソースにまたがる視聴者データの強固なサンプリングを提供します。
  • セットトップボックス(STB) ACR以前には、セットトップボックス(STB)データが存在していました。リニア視聴者情報の主要なソースとして長い間受け入れられてきました。ケーブル プロバイダーの各国での提供元として、またマルチチャンネル ビデオ プログラミング ディストリビューター(MVPD)としても知られています。このデータは、OEM全体におけるリニア視聴者のほぼ全体像を把握することができ、複数のOEMにまたがる視聴行動の傾向をより幅広く把握するのに役立つサンプルとして機能します。

この2つは互いにバランスを取りながら、それぞれがもう一方の強みを増幅し、キャンペーンを新たな高みへと導き、さらなる付加価値をもたらします。

  • より確実な識別:STBは決定論的なデータと既知の世帯解像度で優れており、ACRはカスタムのクリエイティブな識別に数日で対応可能です。
  • 正確な視聴者情報: この2つのデータソースを組み合わせることで、実際の視聴行動をより正確に表すことができ、実在しない視聴者、誤配信番組などといった問題に対処することができます。
  • より広範な人口統計:ACRとSTBの利用には地理的、人口統計的な偏りがあり、この2つの情報源を併用することで初めて、広告主は視聴者をより完全かつ正確に把握することができます。それに加えて優れているのは、1億9200万人¹の当社の米国ログインユーザーグラフは、データを正規化するために、さらに重複排除と異常値除去を行います。

断片化に悩まされている世界では、多様な行動をとらえたより包括的なサンプルが、今日の広告チームのデータドリブンなメディアプラニングを支えています。

視聴者が従来のリニアとCTVの選択肢で時間を二分している現状に対して業界が対応を続けるなか、テレビ画面は広告主が消費者にリーチするための家庭内の”特等席”を提供し続けています。ACRとSTBのデータの両方を活用しない場合、そのキャンペーンは視聴者の半分を置き去りにしていることになります。

正確なデータは重要であり、テレビ視聴者データを融合させた利用は、オーディエンスにリーチするために必要不可欠となっています。

 

データ時代の到来

メディア業界の状況は、音楽業界、さらにスポーツカテゴリーと同様、進化しています。Taylor Swiftが音楽を刷新し、それによって新たなオーディエンスを獲得したように、広告主もまた適応し、進化し、革新していかなければなりません。ACRのみのデータ戦略から脱却し、STBデータの膨大なリーチと正確性をACRデータのスピードと幅広さと結合させたUnified Viewershipの時代を受け入れる時が来ています。

広告の未来はすでにここにあります。当社の取り組みについてさらに詳しくお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。

¹Our internal data, 2023

 

–––

Mallory Armstrongについて
Malloryは、当社のAdvanced TV Analytics Suiteとデータパートナーシップの戦略的開発チームを率いています。データとテクノロジーが融合する分野において15年以上の経歴を持ち、進化し続ける消費者の行動を、マーケターが予測できるように支援する分析プロダクトの開発に情熱を注いでいる。

 

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