最新のグローバル調査で、消費者のアテンションとビジネス成果の相関関係が明らかに
※Boundless株式会社は、米国に本社を構える当社グループの日本法人です。
筆者:
Cara Pantano / Director of Agency Partnership Research
広告エコシステムにおいて、近年、アテンション指標が関心を集めており、広告主の評価ツールとなる新たな重要指標として注目されています。前回の調査『状況別のアテンション』の続編として、OMGと当社はAmplified Intelligenceと協力し、『アテンションと成果の階層』の調査レポートを発表しました。この最新の調査は、デバイス、パブリッシャー、広告フォーマット、広告クリエイティブ、ブランド規模などのさまざまなキャンペーン要素が消費者の「アテンション」に与える影響を明らかにしています。本調査には、米国とオーストラリアの両国で、多様な業種から6つのブランドが参加しました。その中には、Velocity Frequent Flyer、ビクトリア州政府交通災害委員会、Volkswagen Group of AmericaおよびVolkswagen Commercial Vehicles Australia、CPG & Home Improvementなどのブランドが含まれます。
この調査結果は、ブランドの目標やKPIを問わず、広告主がビジネス成果の向上を目的としたメディアプレースメント戦略を推進するためのヒントになるでしょう。認知度の向上やエンゲージメントの創出から実際の販売促進まで、アテンション指標は重要な役割を果たします。広告主は、メディアミックスの年間戦略にアテンション指標を組み込むことをご検討ください。
「消費者のメディア消費がかつてないほど細分化されている今、アテンションを獲得し、それを維持することは、雑音を排除し、有意義なつながりを築こうとするブランドにとって、極めて重要です。重要なのは、チャネル内およびチャネルをまたいだ消費者のアテンションについて理解することで、自社の顧客に対して効果的なオムニチャネル投資戦略を構築する能力が高まるということです。」
Omnicom Media Group NA 最高情報責任者 Joanna O'Connell
調査方法
Amplified IntelligenceのモバイルアプリattentionTRACEとデスクトップ拡張機能は、デバイスのカメラで顔の映像を撮影し、ビューアビリティ、スクロールパターン、オーディオ、デバイスの向きなどのメタデータを収集します。この体験の最後に、近い将来のブランド選択に関するアンケートを実施し、ビジネス成果を測定しました。米国とオーストラリアの2,000人の回答者に対して配信された約9,000件の広告に対する反応は、3つのアテンションレベルに分類されました。
- Active(能動的):広告に注目しており、ポジティブな効果をもたらす可能性が高い
- Passive(受動的):スクリーンに注目してはいるが広告には注目していない
- Total Attention(総合的なアテンション):能動的および受動的要素の組み合わせ - ブランドがその瞬間に消費者の心を捉える最大のチャンス
同時に、当社は当社DSPでattentionPROVEのリアルタイムピクセル測定を開始し、CTV、デスクトップ、モバイル全体で940万インプレッションを獲得しました。AttentionProveは、キャンペーンの具体的な広告配置とクリエイティブの制作に向け、大規模なアテンション指標と、インフライト最適化の推奨事項を提案しました。
主要な調査結果:
アテンションの階層:
最もアテンションを惹きつけるCTV:CTVは、視聴者のアテンションを非常に強く惹きつけるチャネルで、平均9.7秒の能動的アテンションを獲得しています。これは、モバイルの約8倍、デスクトップの約16倍に相当します。これは、デバイスの性質上理にかなっています。テレビでは広告がスクリーンの大半を占める一方で、デスクトップではコンテンツが多く、広告から注意がそれやすい傾向があります。
広告を取り巻くコンテンツの質が重要:ウェブドメインは、広告フォーマットとクリエイティブが達成できるアテンションの程度を左右します。例えば、モバイル300 x 250(MREC)では、広告が表示される当社O&Oドメインによって、能動的アテンションは1.2秒から2.4秒の範囲で異なりました。また、同じ広告フォーマットでも、プレミアム広告以外の広告フォーマットでは、さらにアテンションの程度のバラつきが大きくなりました。モバイルとデスクトップで集中的なアテンションを獲得することは、CTVに比べると難しい点もありますが、当社DSPのインベントリー(O&Oと3Pサプライを含む)は、能動的アテンションに関するAmplified Intelligenceのグローバルベンチマークを上回っています。
- アテンションを集めるための鍵はCTV/OTT動画:フォーマット別にアテンションについて分析すると、CTV/OTTの動画ベースのフォーマットは、CTV、モバイル、デスクトップのすべてのデバイスで最大のパフォーマンスを記録しました。しかし、ディスプレイ広告のフォーマットのパフォーマンスはデバイスによって異なります。全体的に、ビルボード広告+プレロール広告はモバイルで最も効果的で、スカイスクレイパー広告+プレロール広告はデスクトップで最も効果的となっています。この効果もまた、ドメインによって異なります。
この階層はビジネス成果に影響を与えます。
CTVでのアテンションは高いものの、販売を後押ししているのはモバイル:能動的アテンションはCTVで最も高いものの、コンバージョンにはパーソナルデバイスの方が適しています。各チャネルでブランド広告を目にした消費者は、目にしていない消費者と比較して、モバイル(+26%)での購入意向がデスクトップ(+13%)やCTV(+11%)よりも高くなりました。
注目度の高いドメインは、効果的に販売を促進する可能性を高める: 例えば、当社プレミアム広告を活用することで、購入の可能性が21%高まります。
しかし、ブランディングが弱いとどんなにアテンションを集めても販売にはつながらない:広告の尺の25%以上にブランドが露出しているクリエイティブは、購入対象として検討される可能性が26〜38%高くなります。その一方で、ブランディングが弱いクリエイティブでは、競合ブランドの購入検討が行われました。
市場シェアもまた、モバイル/デスクトップにおけるアテンションと成果の相関関係がある:
ブランド選択においては、能動的アテンションが受動的なものよりも重要な役割を果たしますが、ブランド規模はそれぞれのアテンションタイプの影響力に違いを生み出します。
大手ブランドは1秒の受動的アテンションから相対的に大きな効果を得られますが、中小ブランドは勝ち取った1秒の能動的あてンションから相対的に大きな価値を得られます。この差異は、大手ブランドの確立されたブランド認知度と、それが持つ独自のブランドアセットの有効性から生じていると考えられます。これらの確立されたブランドにとって、広告は本質的にはブランドメッセージを再認識させる役割を果たします。
CTVは例外的な存在です。CTVでは、受動的・能動的を問わず大きなアテンションを獲得できるため、あらゆる規模のブランドがCTVからメリットを享受できます。
広告主にとってこれが意味することは?
CTVを含むオムニチャネル戦略が必須
広告主が計画的かつオムニチャネルを見据えて予算を組む際、CTVをご検討ください。CTVは、受動的・能動的を問わず、オーディエンスのアテンションを集める最高の機会を提供しているため、ブランド認知度の向上や市場でのポジション強化に活用できます。
当社がどのようなサポートができるか:当社DSPは、広告主がオーディエンスにリーチし、チャネルをまたいで成果を高めることを可能にするオムニチャネルソリューションをご提案しています。CTVに関しては、当社はCTVとリニアテレビのデータを統合し、CTVのリーチと頻度を最適化するUnified TVを提供しています。これにより、108種類にわたるほぼすべての主要なCTVプラットフォームで、テレビへの投資を最大限に活用することができます。広告の掲載先が重要
チャネルを問わず、能動的・受動的なアテンションを集めるには、高品質なコンテンツであることが重要です。
当社がどのようなサポートができるか:当社 Backstageでは、広告主はJounce認定MFAフリーパブリッシャー(信頼のおけるパブリッシャー)が提供する、厳選された高品質なパブリッシャー直接取引サプライのインベントリーにアクセスできます。パブリッシャーには、Warner’s Brother Discovery、LG Ad Solution、Dotdash Meredithなどが含まれます。クリエイティブはパズルの重要なピース
いくらアテンションを集めても、売上に影響を与えるブランディングの欠如を補うことはできません。自社ブランドがそのメディアのオーディエンスにどの程度認知されているかを理解することが重要です。消費者の能動的アテンションを必要とするニッチブランドの場合、クリエイティブにブランド名をアピールすることが不可欠です。
当社がどのようなサポートができるか: 当社 Creativeは、広告主がオーディエンスの心に響くクリエイティブを構築できるようお手伝いします。当社のフルサービスのクリエイティブソリューション、業界をリードするクリエイティブツール、そして当社 IDソリューションを組み合わせることで、長期的に有効なパーソナライズ広告ソリューションを提供します。
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Cara Pantanoについて
Caraは、当社のエージェンシーパートナーシップ調査部門ディレクター。業務では、市場動向と独自のインサイトを洗い出し、広告主の戦略策定を導く役割を担っています。プライベートでは、新しいレシピを試したり、インテリアに凝ったり、ガーデニングに挑戦するなど、クリエイティブなことが大好きです。
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