04.20.2023
日本から海外配信

注目 (ad attention) を獲得:CTV広告エンゲージメントの最適化

※Boundless株式会社は、米国に本社を構えるYahoo Inc.の日本法人です。

消費者の注目(ad attention)を獲得し維持するためには、キャンペーンを最適化する効果的な戦略を立てることが必要です。その戦略に向けて、当社米国本社は、Publicis Mediaと共同で「CTV広告の注目度・受容度に関する調査(CTV Ad Attention & Receptiveness)」を実施しました。

広告付き動画配信サービス(AVOD = Advertising Video On Demand)は、今世界中で急速に普及が進んでいます。2023年には、消費者の2/3近くが、毎月少なくとも一つのAVODサービスを利用し1、有料定額制サービスに95億ドル近くを費やすと予想されています2。このような視聴者をターゲットに、主要なストリーミングプラットフォームが市場に参入し、消費者にエンターテイメントを提供しつつ、広告主には広告掲載の機会を提供しています。
調査によると、2023年末までに、すべての主要な定額制動画配信サービス(SVOD = Subscription Video on Demand)が、既存の広告なしプランを補完するために広告付きのプランの提供を開始すると予測されています。さらに2024年末までには、これらのプロバイダーの半数が広告付きの無料のテレビ番組ストリーミングサービス(FAST = Free Ad-Supported TV)を開始し、2030年までには、ほとんどの定額制オンライン動画サービスが広告付きになると予測されています1

広告主はこの状況に対応するため、新しいチャネルへのシフトを始めています。CTV広告費は、2023年には260億ドルを超える見込みであると予想されています2。しかし、広告費が増加する一方で、広告主はこの急速に進化するメディアをどのように活用すべきなのか、頭を悩ませているようです。広告主は、CTV広告に対する消費者の注目度(attention)と受容性(receptiveness)を理解する必要があります。そして、消費者の注目を獲得するためには、キャンペーンを最適化する効果的な戦略を立てることが必要です。このような観点から、当社米国本社はPublicis Mediaと共同で「CTV広告の注目度・受容度に関する調査(CTV Ad Attention & Receptiveness)」を行いました。
 

CTV視聴者は広告に好意的

今回の調査では、消費者はCTV環境での広告視聴を受け入れているということがわかりました。実際に、46%の回答者が、新しいストリーミング配信サービス追加利用する際は、多少の広告が表示されても月額料金の安い方を選ぶと回答しています。さらに、CTV視聴者の82%が無料ストリーミング配信サービス内の広告に期待していると考えていて、また、AVODユーザーの10人中7人がCTVの広告体験に満足またはやや満足していると回答しています。さらに、56%が広告やCMから有益な情報が得られると回答し、過半数が広告を有益なものと感じていることがわかりました。

消費者はATVプラットフォームで表示される広告に寛容であるものの、その規模の大きさから、マーケターは包括的な戦略を構築することはおろか、どこから手をつければよいのかわからなくなることもあるかもしれません。消費者に効果的にリーチし、注目を獲得し維持しつつ、CTV広告でブランドメッセージを伝えるには、多くの検討事項が存在します。今回の共同調査では、CTV戦略を構築する際に考慮すべき重要なポイントが明らかになりました。
 

CTV広告を実施する前に考慮すべきポイント

CTVはマルチメディアである:CTVは、視覚と聴覚の両方に訴えかけるマルチメディアチャネルです。81%の消費者が、他のことをしながらバックグラウンドでCTVを流がす「ながら視聴」をしていても耳を傾けて音声を聞いていると回答しました。また、アイトラッキングの調査では、CTV広告の1/3が、2秒以上の注目を獲得していることがわかりました。

CTVの消費形態はリニアTVの消費形態とは異なる:さまざまな調査で、リニアTVが視聴される時間帯はプライムタイムの午後6~10時に集中していることは明らかになっていますが、今回の調査では、CTV広告に対する注目度はプライムタイムが最も高いが、早朝の時間帯から注目度のピークが始まっていることがわかりました。一般的に安価である時間帯であるため、広告主が注目すべき潜在的な機会であることが明らかになりました。

*リニアTVとはスケジュールされた番組を配信中に視聴する従来型のテレビ放送

消費者はTVプラットフォームにおける総合的な体験に投資している: 広告の注目度は、有料でより意図的に利用する「月額課金のストリーミングサービス」の方が高い傾向があることがわかりました。特に、YouTube、FuboTV、SlingなどのvMVPD(Virtual Multichannel Video Programming Distributor; 仮想多重チャネル動画プログラミング配信)や、Hulu、HBOMax、Paramount+といったハイブリッドサービスなど、視聴する番組を意識的に選択する有料または定額制のアプリケーションにおいて、視聴者はより広告に注目する傾向があります。
 

CTVへの投資を最適化するポイント

ターゲットオーディエンスの視聴環境を知る:デモグラフィックは、CTV広告の配信調整や注目度を向上する上で非常に重要な役割を果たします。年齢層によって視聴するCTVアプリケーション*が異なるなど、特定の年齢層がどのアプリケーションを利用するかを理解することは、ターゲッティングをする上で非常に重要です。今回の調査によると、40歳未満の若年層の視聴者は、40歳以上の視聴者よりも、ハイブリッドアプリケーションを利用する割合が約60%高いことが明らかになりました。

*広告付きCTVアプリケーション区分け(4つの視聴環境):
▼月額課金のストリーミングサービス

  - vMVPD (virtual multichannel video programming distributor): e.g., FuboTV, YouTube TV
  - Hybrid AVOD: e.g., HBOMax, Hulu, Peacock, Discovery+, Disney+
▼無料ストリーミングサービス

  - FAST (Free Ad-Supported Streaming TV): e.g., Pluto, Tubi, Roku
  - Smart TV FAST Channele.g., Amazon Freevee

広告表示のプレースメントに気を付ける: 広告に対する注目度は、広告ポッド内*の表示順によって異なります。広告ポッド内の最初の枠に表示された広告は、2秒以上の注目を獲得する割合が38%で、視聴者は平均で11秒間ほど広告に注目していることがわかりました。また、広告ポッドの長さが90秒や1~5分のものでは、36〜38%とどちらも比較的安定して注目を獲得していることが明らかになりましたが、広告ポッドの長さが5分を超えると、注目を獲得する割合が27%と大幅に下がることがわかりました。

*広告ポッドとは、コンテンツとコンテンツの間に設けられる複数の広告を1つのかたまりで表示されることで、今回の調査において表示順は、最初の枠、中間枠、最後の枠の構成。

また、視聴中のコンテンツへのエンゲージメントが高いジャンルほど、広告に対する注目度も高いという結果も出ています。最も注目度が高かったジャンルは、犯罪ドラマで46%、次いで政治解説や報道が39%、ゲーム対戦系が38%となっています。一方、注目度が最も低かったのはアワード系番組で14%、次いでSFが16%、アクション・アドベンチャーが20%でした。

視聴するコンテンツの内容に関連した広告は、ジャンルに関係ない平均的な広告よりも、より高い注目度や関心を集めることがわかりました。たとえば、CTVの視聴者の64%は、広告に自分が視聴している番組の人物や要素が登場することは、理想的で広告体験がより良いものになると回答しています。また、料理番組中に表示された食品や飲料に関連のある広告に関しては、平均的な広告に比べて77%も高い注目度や関心を示しています

適度な広告露出でポジティブな印象を与える:同じ広告を繰り返し露出することは、視聴者に不快感を与え、ブランドイメージに悪影響を及ぼしかねません。視聴者の3分の2以上(67%)が、一つの広告ポッド内で同じ広告が2回以上表示されると煩わしく感じると答えています。今回の調査では、2分の間隔で同じ広告に触れた場合、その広告への関心が下がり、また、5分の場合でも関心度は下がった傾向であることがわかりました。また、この調査では、視聴者の注目を獲得するにあたり、最適なフリークエンシーは6~10回のであり、飽きずに広告を見てもらうには12~24時間の間隔をあけた広告露出が理想であることもわかりました。
 

当社のCTV広告ソリューションの利点

独占的なデータパートナーシップによりターゲットとする消費者をより深く知ることが可能: 当社では、VIZIO社との連携によって実現する独自の決定論的データ(deterministic data)へのアクセスにより、最適なデモグラフィックやオーディエンスを正確に見つけ出し、消費者にメッセージを届ける理想的なフリークエンシーとリーチを管理することができます。

強力なインベントリパートナーシップによりスケーラブルなリーチを実現:当社では、スポーツ中継を含む、あらゆる主要ネットワークやパブリッシャーにてブランド各社の広告を配信することができます。米国内の192Mのログインベースの視聴者に合わせて最適なインベントリをキュレーションします3

独自のデータツールを組み合わせることでプラットフォーム全体の測定と最適化を容易に実現: 当社のUnified TV Reportを活用することで、配信中もしくは配信後のキャンペーンインサイトを得ることができます。当社は、3rd partyの強力な測定パートナーを1st partyに組み合わせて測定能力を強化することにより、より優れたプランニングと最適化を実現するための優れたインサイトを提供しています。

広告のタイミングを最適化するサポート:消費者が視聴しているさまざまなプラットフォームを対象として、そのプラットフォームで視聴されている時間帯にターゲットを絞ることで、最も重要な場所、最も重要な時間に消費者にリーチすることができます。

総合的なコンテンツメタデータで時間と場所の最適な組み合わせを見つける:料理、DIY&ガーデニング、スポーツ中継など、最も注目を獲得する特定のジャンルや、番組の文脈に関連したコンテンツを特定します。

社内のデザイン専門家が注目を獲得するクリエイティブを制作: 当社のインハウスクリエイティブチームが、ビデオアセットを最大限に活用し、環境に応じたクリエイティブを提供します。ダイナミッククリエイティブからパーソナライズクリエイティブ、そして、QRコード付きのクリエイティブの展開など、エンゲージメント向上に向けてサポートします。
 

CTV-Attention-Receptiveness

 

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当社米国本社とPublicis MediaによるCTV Ad Attention & Receptiveness 2023
Jeff Loucks, Mark Casey, and Craig Wigginton, Ad-supported video: Will the United States follow Asia’s lead?, Deloitte Insights
eMarketer Q4 2022 Digital Video Trends Report
Internal Data, March 2023

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